不器用な彼の愛し方《番外編完結》
「学校のこと分からないと不便な事とかあると思いますよ?」
「ない」
「移動教室とか困りますよ?」
「困らない」
「購買とかの場所わかるんですか?」
斗真の態度に若干イライラしつつ、
笑顔をキープ。
「........」
やっと黙った斗真に追い打ちをかけるように
「わからないんですね。
じゃあ案内します。
で、いつがいいですか?」
早口で言う。
こっちだって、やりたくてやっているわけじゃないんだから。
自分の都合で決めないでほしい。
ーーーー空が綺麗。
皮肉だ。私の心はそんな晴れ晴れしてないっていうのに。
いっそ曇りの方がよかった、なんて。
「.....昼」
「昼?.....昼休みってことですね?
わかりました。じゃあ昼休みに案内します」
幸い、今日は悠からの誘いは来てない。
1人で自己完結して、体の向きを前に戻す。
あまり話したくない。
決して斗真が嫌いとか、そんなんじゃない。
斗真が悪い人じゃないっていうのとぐらいわかってる。
現に、朝助けてくれたし。