不器用な彼の愛し方《番外編完結》
「.....っな!」
驚きすぎて何も言葉が出てこない。
「....俺の事、殴るつもりだった?」
掴んだ私の手を離さず、私の事を
見てくる斗真。
漆黒の瞳に捉えられた私は、何も言うことができなかった。
足が、動かない。
口が、開かない。
ただただ、斗真を見つめることしかできなかった。
斗真が怖いわけじゃない。
でも、金縛りにあったかのように
手足の自由が効かない。
「....美優花」
そっと、優しい声で私の名前を呼ぶ斗真。
その、甘く酔いしれそうな声に
何故か全身の力が抜けていった。
崩れ落ちそうな私を、斗真は優しい支えてくれて
斗真の手が私の腰にまわった。
「....可愛いな、お前」