不器用な彼の愛し方《番外編完結》
ポンっと肩に手をおかれた。
意を決して振り返ると
「.......ゆ、う」
予想通り......悠が、いた。
私から出た声は、あまりにも弱々しい声で自分でも驚いた。
やばい。
この光景を、"悠以外の男"と一緒にいるところを見られた。
ーーーー風に揺られる木が騒がしい。
「......誰?」
悠に視線を向け、私に尋ねてくる斗真。
できれば、喋って欲しくなかった。
誤魔化しが、きかなくなる。
少しの間、静寂に包まれた3人の世界。
それを最初に壊したのは、
「美優花」
怒っているということが一声でわかるくらいの悠だった。
「.....こいつ、何?」
悠が、チラッと斗真に視線を移す。
どうしよう、なんて言えば悠は納得してくれる?
考えてみるものの、いい答えは見つからない。