不器用な彼の愛し方《番外編完結》
ーーーーその時。
「待てよ」
悠に掴まれている逆の方の手を誰かに掴まれた。
後ろを見ると、斗真が私の腕を掴んでいた。
そのせいで私は足を止め、足を止めた私に気がついた悠が後ろを向いてきた。
「そいつ、何なんだよ」
斗真が私の腕を掴みながら、悠を睨みつける。
ーーーー彼氏だよ。
そう答えなくちゃいけないのに、答えられない。
そんな私の代わりに
「彼氏だけど」
悠が斗真を睨みつける。
「は?彼氏?....だったら何でそんなに横暴なんだよ。彼氏だったらもっと優しくしろよ」
そう、斗真が悠に言うと、明らかに悠の怒りが増したのがわかった。
ーーーやめて。
お願いだからやめて。
もう、これ以上、
悠の機嫌を損ねたくないの。