不器用な彼の愛し方《番外編完結》
悠と歩き出してから数分。
悠と私の間に流れる沈黙。
悠から怒りがひしひしと伝わってくる。
そして、たどり着いた空き教室。
何度来たかわからない、この空き教室。
北校舎の4階の1番隅にあるこの空き教室は、みんなから忘れ去られている存在。
でも、悠は手慣れた様子で扉を開け入っていく。
埃っぽくて、本棚が壁にたてつけられていて。
でも、机も椅子も端っこに寄せられている。
見慣れた、この光景。
ーー嫌な思い出しかないこの場所。
私が空き教室に入ると、悠は扉に行きバタンと閉めた。