不器用な彼の愛し方《番外編完結》
......苦しい。
息が、出来ない。
.....く、るしい。
酸素が足りない....っ。
もう、駄目。
そう思った時、悠の腕の力が弱まり私は床へ崩れ落ちた。
「はぁ.....はっ」
必死に呼吸を整える。
酸素を体へ送り込む。
でも、まだ悪夢は終わらない。
「俺以外の奴と話すなって、あれほど言っただろ!!」
呼吸を整え終えてない私の元へ
悠が近づいてくる。
.....今から始まる恐怖に体が震え出す。
手も足も、全身が震え出す。
逃げたいのに、逃げなきゃ駄目なのに震えて力が入らない。
「美優花、お前の好きな奴は誰だ」
言わなきゃ、言わなきゃ。
悠だって、言わなきゃ。
言わなきゃいけないのに、口が開かない。