不器用な彼の愛し方《番外編完結》
「......美優花」
消えそうなくらいか弱い声で私を呼ぶ悠。
ーーーー突き放せばいい事なのに。
ーーーー別れれば済む話なのに。
毎回そう思う。
なのに、それを実行できないのは
私に勇気がないという事と
......初恋の人を見捨てることが出来ないからだ。
もうとっくに好きなんかじゃないのに。
ピンク色は消えたのに。
私は悠に縛られている。
「美優花、俺のこと好きって言って.....」
ーーーー突き放すことができたなら
どんなに楽なんだろう。
「......好きだよ」
ーーーー暗い、籠の中の鳥は翼を閉じたままもがき続けている。