不器用な彼の愛し方《番外編完結》
それより。
子供の相手なんてしたことなくて、
ましてや泣いてる子の相手なんてもってのほか。
どう声をかけたらいいの?
あぁ、こういう時、口下手って本当に嫌。
何も言葉が思いつかない。
何をしていいのかわからず、戸惑っていると、男の子の横にいた斗真が男の子の頭をガシガシと撫で始めた。
男の子は、それに驚いた様子で斗真を見る。
「お前、すげーじゃん」
そう言い、見たこともないような
無邪気な顔で笑う斗真。
......斗真ってこんな顔するんだ。
なんだろう、よくわかんないけど
ーーーー心臓が速まってく。
「.....ぼ、く凄いの....?」
涙がようやくとまってきた様子の男の子が斗真に尋ねる。
「ん、凄かったしかっこよかった」
「.....本当?」
「あぁ」
「ぼく、おっきくなったらお兄さんみたいに強くなれるかな?」
「あぁ、なれる」
斗真が、またくしゃくしゃっと男の子の頭を撫でると、無邪気な笑顔に変わる男の子。
.....すごいな、斗真。
「じゃあ僕、強くなれるように今から頑張るね!
お兄さんお姉ちゃんありがとう!」
パァっと花が飛び散りそうなくらいの笑顔を見せてくれた男の子。
ーーーーこんな無邪気な笑顔を見れるのなら、接客業も悪くないのかもしれない。