不器用な彼の愛し方《番外編完結》

荷台を両手で掴み、斗真が漕ぎ出すのを待っていると



「そこじゃねぇ」


斗真が私の腕を掴み、自分の腰に私の手を持っていった。


.....え?!

な、に?


いきなりの斗真の行動に戸惑っていると


「.....うわっ」


いきなり漕ぎたしたものだから、離すものも離せなくなってしまった。



ーーーーどうしよう。


この状況、どうすればいいの。


何このカレカノみたいな雰囲気。



その瞬間、脳裏に浮かぶ悠の顔。


....こんな所もし悠に見つかったら。


蘇るあの空き教室での光景。



ーーーーいやだ。

もう殴られたくない。
叩かれたくない。
苦しめられたくない。


ーーーーいやだ。いやだ。
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