我妻教育2
「まあまあ、落ちついて」

と、まず声を出したのは、“父方”の叔父。


叔父は、場の空気を鎮めたあと、ツツツとビール瓶片手にあたしの横にやってきて、

「未礼ちゃんも。とにかく、考えてみて。このお見合いは、何より未礼ちゃんにとって良い話なんだから。ほら、全然飲んでないじゃないか」

明るく、なだめるような口調で、あたしにビールとお見合いを勧めてきた。


周囲を見渡すと、あたし以外の出席者全員が、申し合わせたように同じ目をしていた。


あたし、茅の外?

無性に騙された気分になった。
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