我妻教育2
黙ったまま自然なエスコート。スマート過ぎるでしょ。


あたしがか弱い女子みたいで、ガラじゃないけど、くすぐったいけど、…嬉しいな。


スマートな流れのまま、何事もなかったように会話が続く。

「まさか、仕事で会うとは思っていなかった」


「啓志郎くん、あたしがいたの気づいてたんだね」


「ああ。すぐにわかった。挨拶に行こうと思っていたのだが…」


「啓志郎くん大人気だったもんね」


「未礼も忙しそうにしていたな」


「あ、うん。まぁ、ね」


歯切れが悪い返事をしてしまったあたしの顔をじっと見て、

「大丈夫か?」

心配そうに伺う声。
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