我妻教育2
家に帰っても、嫌な現実が待っているだけだし。お見合い勧められるだけだし。


もう、このまま、どこかに逃亡しようかな、なんて(笑)

…ああ、ダメじゃん、居場所がないからって、家出してた中高生のころと一緒。


またあたし逃げようとしてる。


あの頃はユッキーが泊めてくれたけど、今は海外勤務に行ってていないし、もう大人だし、甘えていられない。


いっそ、お見合い受けて玉の輿狙っちゃおうかなぁ…なんて。

泣きそうなのをこらえて、乾いた笑いを浮かべて首を振った。


いつまでもボーッとしてるわけにはいかない。

パスケースを取り出すために、カバンを開いて気づいた。


「あ、マフラー…」
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