我妻教育2
「マイラ。会社には来るなと何度も言ったであろう」

渋々と立ち上がった啓志郎くんの腕に、マイラ姫はするりと腕を絡めた。


「ごめんなさぁ~い。どうしても会いたかったんだもん」

反省の色なしの甘えた声に、傾げた首。

マイラ姫は、啓志郎くんのことが好きなんだろうなぁ。


「仕様のない奴だ」

あきれながらも馴れた様子で啓志郎くんは絡められた腕をほどく。


マイラ姫は、ウフフと笑ってから、あたしの顔を見た。

ジロリとあからさまな視線。


立ち上がり会釈する。


「未礼。友人の金峰下 舞羅さんだ」

啓志郎くんは、先にマイラ姫を紹介してくれた。

知ってるけどね。
< 134 / 210 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop