我妻教育2
けど、プイッと顔を背けて拒否した。

こんな余裕な男をつい苛んでやりたい気持ちにかられる。


「…マダムに何を言ったの?」


聞いたら、啓志郎くんは少しポカンとした顔をした。

「マダム?…ああ、昨夜のパーティーのことか?」


「そうよ!」キッと啓志郎くんを見上げる。


「何で、勝手にあたしの雇い主に挨拶なんてしたのよ!わざわざ挨拶してもらうような関係じゃないし。余計なことしないで!」


まくし立てるように言ったあたしに、啓志郎くんは困惑気味に聞き返してきた。

「余計なこととは?」
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