我妻教育2
優留ちゃんは、かきこむようにがっついて、

「美味い!!お嬢ちゃん良い店知ってんじゃん」

と、ニカッと笑った。


「良かった、口に合って」


そう、これ。

美味しいものを食べて素直に出る笑顔を見るのが大好き。


だからあたしはそういう仕事がしたいなって思ったんだ。


「マジで美味い!啓志郎の奴にも食わしてやりたいよ。あいつニューヨークじゃ一人でロクなもんしか食ってないんじゃないかと」


「そういえば、一人暮らしみたいなものって言ってたな」


「おじさんたち別れたとき、帰国すりゃ良かったのにな。啓志郎のやつ頑固だから」


「へ?」

別れた?誰が?

キョトンと聞き返すと、優留ちゃんもキョトンとする。


「知らないのか?啓志郎の両親が離婚したこと」
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