我妻教育2
それから、優留ちゃんは箸を置いて少し小声になった。

「実を言うと、松葉グループ内も、おじさんたちの離婚の影響もあってか、新勢力が現れたりして、後継者争いも混沌とし始めたんだ。

それもあってか、啓志郎は、両親がいなくても帰国するって選択肢はなかったみたいだ。

それも修業の一貫だと受け止めて、使用人も置かずに一人でやってきたみたいだ。

バカ真面目なやつだからな」


「新勢力…」


「まぁ、誰が出てこようと、私は負ける気はしないけどな」

いつものように優留ちゃんは自信たっぷりニヤリと笑って、時計を見る。

「あ、やば。時間だ。んじゃ、行くわ」

さっさと伝票を持って支払い店を出る。

早ッ…!
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