我妻教育2
夕方過ぎて家に帰った。
やっぱり、お見合いは断ろうと思って、父の帰りを待つために居間にいたら、弟の勇(イサム)が姿を見せた。
肩に荷物をかけている。
「あれ、勇、出かけるの?」
「塾に行ってきます」
「あ、そっか、行ってらっしゃい」
リビングから出るためにあたしに背を向けた勇は、しばらく無言で立ち止まった。
そして振り返り、真剣な顔で口を開いた。
「ありがとうございます」
「勇?…何が?」
「父から聞いたんだ。姉さまが、お見合いを受けて下さると」
「あ、でもそれはもう…」
やっぱり断ろうと思って。と言う前に、
「ごめんなさい、姉さま」
あたしに向かって、勇が頭を下げた。え?何?
やっぱり、お見合いは断ろうと思って、父の帰りを待つために居間にいたら、弟の勇(イサム)が姿を見せた。
肩に荷物をかけている。
「あれ、勇、出かけるの?」
「塾に行ってきます」
「あ、そっか、行ってらっしゃい」
リビングから出るためにあたしに背を向けた勇は、しばらく無言で立ち止まった。
そして振り返り、真剣な顔で口を開いた。
「ありがとうございます」
「勇?…何が?」
「父から聞いたんだ。姉さまが、お見合いを受けて下さると」
「あ、でもそれはもう…」
やっぱり断ろうと思って。と言う前に、
「ごめんなさい、姉さま」
あたしに向かって、勇が頭を下げた。え?何?