我妻教育2
誰かお客さん?こんな時間に?


疑問に思いつつ、モニターで来客を確認して、驚いた。


「啓志郎くん!?どうしたの?!」

慌ててドアを開ける。


玄関先に啓志郎くんがいた。

忙しい中、抜けてきたのかな?落ち着きない様子。


「どうしたはこちらの台詞だ。何度も電話をかけたのに、何故出てくれぬ?」

どことなく不機嫌そうに切れ長の瞳を細めて、あたしの目を凝視する。


「…え?電話?…あ、ゴメン、気づかなかった。ケータイ、カバンに入れっぱで部屋にほったらかしにしてた…」

しまった…っていうあたしの顔見て、


「…なんだ、気づいていなかったのか」

啓志郎くんは、脱力して息を吐いた。
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