我妻教育2
「気をつかわせて申し訳ない」


「何言ってんの~、気にしないで。簡単な物しかできないけど。…あ、豚肉発見」


また啓志郎くんに料理を作ってあげることができるなんて、懐かしくって嬉しい。


でも残念。来るのが分かってたら、もっと材料買って下準備だってできたのにな。


こんな時間だからあんま待たせらんないから、さっと作ったしょうが焼きとサラダとご飯とお味噌汁を並べた。


「いただきます」

啓志郎くんは、丁寧に両手を合わせて箸を取った。

美しい箸の使い方。変わってないな。ステキだな。


「やはり未礼の料理は美味いな、本当に」

大人っぽくなった顔つき。頬の緊張が和らぎ、口角が上がる。
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