我妻教育2
仕事は諦めようと思ってても、諦めきれない気持ちが完全には消えてなくて、あたし自身どうしたら良いか分かんなくなってた。


だから。

もしも。

もしも、認めてもらえたら、仕事続けられるチャンスだって内心期待していた。


でも、一通り資料に目を通した編集者さんが、う~んと唸ったのを見て、淡い期待はすぐに砕けた。


「美人で料理上手い子って、山ほどいるからね」


目の前が真っ暗になるって、こういう感覚なんだ。


「テーマが薄いかな、って印象かな」


「…テーマ、ですか?」
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