我妻教育2
資料とあたしの顔を交互に見ながら編集者さんは慎重に言葉を選ぶように続けた。


「未礼ちゃんのブログも見てるよ。

見た目もキレイで美味しそうだし、実際作ってみたら美味しかったし。

持ってる知識を入れこんでやろうっていう、こだわりはすごく伝わってくる。

でも、センスは良いけど、コレっていう飛び抜けたものが足りないっていうか…。

だからかな?印象に残り辛いんだよね」


グサリと刺さる。

僅かな希望とか夢とかに繋がる道が、目の前で扉が閉ざされたような気がして、全身の力が抜けていく。


安治斉さんに言われた、あたしには“個性がない”“自己満足”。


また同じようなこと言われてる。
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