我妻教育2
―――……!!??



腕の中で、グルグルと目が回る。


結婚って!!!やっぱり、冗談とかじゃなくて、ホントのホントに本気のつもり?!?!


かーっと体温と心拍数が急上昇する。


すぐに、するりと腕がほどかれて、離れた。

「時間だ」


搭乗を急かすアナウンスが流れている。


「え、あ、ほんとだ」

声が裏返る。

うろたえて、ろくに言葉も出てこないあたしをよそに、啓志郎くんは冷静に荷物を手に持った。


「ではまたな」


「あ、うん。気を付けて」


「ああ」うなずき、呆然としたままのあたしに背を向けて搭乗口へと歩き出した。
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