我妻教育2
伸びた背筋が堂々としてる。


視界から見えなくなる手前で一度あたしを振り返って、目を細めてはにかんだ。


少し照れたような笑顔。


わーわー!!


恥ずかしいような嬉しいような。

高ぶって、いてもたったもいられない、そんな気持ちになった。



啓志郎くんの姿が見えなくなって、人の視線を感じて、はたと気づく。

荷物を全部、地面に落としていた。

マフラーまでも。


いやいや、漫画じゃないんだから、いつ落としたあたし(笑)


慌てて荷物を拾い上げ、そそくさとその場を離れて、展望デッキに出た。
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