我妻教育2
「気楽って。それ誉めてないでしょ」

軽く睨んだら、肩を揺らしてケタケタ笑っている。

笑いながら、「あ、そうだ、」何か思い出したように聞いてきた。

「未礼ちゃんこの前見に行ってた家はどうだったの?」


「あ~、ダメだった。少し割高になってもお風呂とトイレは別が良い」

「わざわざ小さいワンルーム借りなくても、デカイ家に住んでるくせに」

「だって、実家から職場遠いんだもん」


この夏、マダムの事務所が移転して、実家から遠くなった。

同じ頃、それまで助手としては3番手だったあたしは第一助手に昇格した。


仕事は急に忙しくなって、事務所で寝泊まりすることもあったりで、実家は寝るだけの場所になっていた。

だから、一人暮らしする部屋を探している。
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