我妻教育2
「懐かしい!変わってない!!」


どこからどこまでが所有地なんだかわかんないくらい広い敷地。

高級旅館のような、純和風のお屋敷。

手入れの行き届いた日本庭園。大きな松の木。


啓志郎くんの家に着いて、まず庭を歩いた。

電灯あるけど、暗くてよく見えないのがもったいない。


残念ながら、チヨさんはいなかった。

「チヨももう年だからな。家政婦業は引退し、今は近所に住む娘家族と一緒に生活している」

「そうなんだ。残念。会いたかったな。チヨさん元気?」


天然の湧水が湧く池の前。並んで立つ啓志郎くんを見上げながら聞く。

…やっぱ違和感。見下ろしてたはずなのになぁ。


「ああ。今回帰ってきて久しぶりに会ったが変わらず元気にしている」
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