我妻教育2
「背は、中学に入ってから急に伸びたのだ。今は180㎝くらいだ」

「そうなんだ~。まだ違和感あるよ。啓志郎くんに見下ろされてるなんて」


少し考えるような間があって、それから啓志郎くんはちょっと首を傾げた。

「そうか?今は、私はそれほど違和感は感じぬ。

実を言えば、むしろ、あの頃、見上げていた時の方が、違和感を感じていた。」


「?」どゆこと?今度はあたしが首を傾げたら、

「いや、何でもない」

小さく首を振って、「外は寒いだろう?」家の中に入るように促してくれた。


「そうだ、ニューヨークでも鍛練は怠らず?」

玄関に向かって歩きながら、竹刀を素振りする振りをして見せた。

「いや、剣道はなかなかする機会に恵まれぬ。今の日課はジョギングと、あとキックボクシングを習っている」
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