我妻教育2
言いにくそうな雰囲気をかもし出しながら父は口を開いた。

「四十九日が終わるのを待っていたんだよ。
本当はもっと早く話をまとめたかったんだけど、こういうことは、喪が明けないことには…」


「未礼ちゃんにとっても、とても良いお話なのよ」

と、ニコニコしながら“母”が話に入ってきた。

「鯛ヶ崎家のご長男なの。鯛ヶ崎グループよ!
こんな良いお相手はなかなかいらっしゃらないわ。そう思わない?」


母の言葉に、父が頷く。


「お相手は、未礼の一つ年上で、年齢的にもお似合いだ。それに、未礼に興味を示して下さっていて、すぐにでも一度お会いしたいとおっしゃって下さっているんだよ」
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