我妻教育2
「うん、またね♪」

頑張って明るい声を出した。


昨日の夜、仕事が楽しいって、頑張るって伝えたばかりなのに。

こんなことになって、仕事早退して、ふらふら帰ってるだなんて…。


啓志郎くんには、絶対言えない。



電話を切ると、すぐにまた着信が入った。


今度は、父からだ。


もう出る気がしなくて、放置したら、留守電に切り替わって切れても、しつこくかかってくる。


急用かもしれないから電話に出た。

『未礼、どうだ?考えてくれたか?』

いきなりの第一声。


「…考えるって何を?」
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