我妻教育2
八暮丹さんは、大きくなったお腹をさすりながら、

「私今日、検診行く日だからもう上がるんだけど!」


ちらっとあたしに視線を走らせたけど、すぐに諦めて視線をもとに戻す。

「ジャスか、安治斉さんか、どっちか取りに戻れないの?無理?―え?安治斉さん別件?えー、もう」


「あたし、持っていきます」


八暮丹さんが驚いた顔であたしの顔を見た。

まさかあたしが行くって言うなんて思ってなかったんだろう。

「ありがとう助かる!」

あたしに言ってから、電話の向こうに伝えた。

「垣津端さんが持って行くから!」


急いでスタッフ控え室に戻る。
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