だって、ナミダ。
洋服のこと、何も言ってくれないね。
電車に乗っても、キミは手を繋いでくれなかった。少し横むいて、「いつまで降るのかな?」とか、「雨なのに、人が多く集まってくるんだね。」とかいってたね。
わたしは、といえば、スカートの短さが気になって仕方なかったっけ。
「うん。」「そうだね。」裾をさりげなく引っ張りながら、笑う。
雨だから髪の毛が膨張しちゃって、横を向いても君の顔が少ししか見えなかった…。

髪を右手で押さえて見直した時には、キミはもう、窓の外をみてた…。
わたしは笑ったけど、キミは笑い返してくれてたのかな…。結局見えなかった…。
いつ頃二人で顔見合わせて笑ったんだろ。思い出せないなぁ…。
いつの間にかわたし、キミの変化にきがつけなくなって、いつも、ジブン、ジブン、になっちゃってたのかな…。
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