だって、ナミダ。

小走りに家の方向に向かう。
ライン、してみようかな？だけど、泣き出した今、何も言えないことくらいワタシにもわかる。通話して、聞いてみる？

きっと困らせるだけ。
ますます嫌われるだけ。

泣いて「どうして！？」って言ったって、きっとキミ、「ゴメン…。」って言うよね。
わたしそれ以上、何が言えるんだろう。
帰りの電車のなかだから、通話出られないかも！他の人に迷惑だし。多分。そうだ。

こんな状況でこんなこと気にするなんて、どうかしてるわ。わたし。
でも、好きだから。
好き…だったから。
嫌われたくない。嫌いになれない。
おかしいよ。おかしいよね？

「嫌いになりたい。」

思わず走った。商店街を抜ける。知ってるお店のおばさんが振り返る。
薬局のおじさんの前を、トリミングに出すよく話すペットショップのお店の前を、走る走る。
雨に濡れたサンダルが足の下で、滑る。
まだまだ、走れる。家まで走れる。
なんか葉っぱがくっついたかも。でも、走る。
気にしない！と思って走る！
くっついた髪の毛を払う、ついでにナミダもさりげなく、払った。

と、「♪♪♪♪」いつもの着信音！