新撰組異聞―鼻血ラプソディ
「鼻血克服して、ほんまもんのイケメンになるためやったら、目隠しでも何でもしたる!!」



「ん……イケメン!?」


この子の頭の中は、さっぱりわからない



土方と山南は、首を傾げつつも何故かこみあげるものを感じ、胸を熱くする。



「翡翠、覚悟はいいですね」


「はい」


近づく土方の気配に翡翠の胸の鼓動が速まる。


「山南さん、押さえて」


「はい」


震えだす翡翠の体に、背後から山南が密着し肩を押さえる。


――苛め!? これって端から見たら苛めやで……。
俺が同意してへんかったら、苛めやし……

翡翠の鼻からポタリ、血が滴る。


「土……方さ」


土方は動揺することなく、手にした手拭いを 翡翠の鼻にズボッと容赦なくぶちこむ。


「へじくわっつぁっぐわっさ……いへーよ」



「我慢しなさい」


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