新撰組異聞―鼻血ラプソディ
天才剣士と謳われる沖田から、天才という言葉。

それは僅かな日数の内で、翡翠が見せたほんの片鱗に過ぎない。

確たる証も何もない。


「決まりね、あの子の鼻には思い切り手拭いを詰めて実施しなきゃ」


「\(゜o゜;)/ゲッ……、鼻血まみれにはなりたくない」


原田が顔を思い切り歪ませる。


「鼻血だけならまだマシよ……この間は見廻りの前に、お腹が痛いって言って、暫く戻って来なかったんだから」


「(¯□¯;)!!マジか……先が思いやられる」


土方と原田は顔を見合せ、大きな溜め息をつく。


「何か原因でもあるのかしら」

沖田がボソッと呟き、お茶を啜る。


「存外、過保護にあれこれ気を回したら良くないとか……胸をはだけて抱きついて迫るとか」

原田が大胆な発言をする。


「ん……佐之江、覚えてないの。沖田の部屋での、翡翠のあの様子」


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