新撰組異聞―鼻血ラプソディ
1章/翡翠信太
1話 あ……ヤバい
俺、翡翠信太。
剣道部主将。
自分で言うのも何だが、俺はモテる。
長身で180センチとか、言わない。
175センチ。
デブでも、痩せてもいない。
細マッチョ?くらい。
容姿は上々、成績も申し分ない。
竹刀を振るたび、騒ぐ黄色い声が部員たちの集中力を欠くのが嫌いだ。
ピーピーキャーキャー、うるせぇ!!
叫びたくなる。
「翡翠くん」
甘い声で呼ぶな。きっしょい。
半径30センチ以上、近づくな。
……と、鳥肌が立つ。
「ねぇ、翡翠くん」
「何やねん」
――顔が近い。
何でそんなに接近してんねん
「教科書、逆さま」
「あ……」
隣の席の女子の顔も、まともに見ることができない。
鼻の辺りが生温い。
思わず手を当てる。
剣道部主将。
自分で言うのも何だが、俺はモテる。
長身で180センチとか、言わない。
175センチ。
デブでも、痩せてもいない。
細マッチョ?くらい。
容姿は上々、成績も申し分ない。
竹刀を振るたび、騒ぐ黄色い声が部員たちの集中力を欠くのが嫌いだ。
ピーピーキャーキャー、うるせぇ!!
叫びたくなる。
「翡翠くん」
甘い声で呼ぶな。きっしょい。
半径30センチ以上、近づくな。
……と、鳥肌が立つ。
「ねぇ、翡翠くん」
「何やねん」
――顔が近い。
何でそんなに接近してんねん
「教科書、逆さま」
「あ……」
隣の席の女子の顔も、まともに見ることができない。
鼻の辺りが生温い。
思わず手を当てる。