新撰組異聞―鼻血ラプソディ
「確かに、袋の中身は訳がわからない本と白い紙の束、それに妙な筆と、四角くて絵が見える箱と……、君そっくりの色つきの絵を貼った小さな本……」



見たんかい!? もう漁って見てるんや!?


「見たんなら、信じてもらえるやろ!? たぶん……俺は150年位先の時代からタイムスリップして来たんやと思う」


「タイムスリップ?」


「何かの間違いで、時代を遡って来てしもたんや」



「信じられない」


「俺だって……タイムスリップも信じられへんけど、……新撰……壬生浪士組が女ばっかりって……」



衝撃の事実を改めて考え、胸の鼓動が倍速になる。



バクバクする心臓、頭がヅキヅキする。



喉までムカムカが込み上げてくる……気持ち悪い



治まってきた震えと痺れが再びぶり返す。



「翡翠くん!?」



腕に触れられた感触に体がびくつき、強張る。


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