新撰組異聞―鼻血ラプソディ
「!? 翡翠、どうした?」


暢気そうな声に訊ねられる。


「土方さん、ヤバいです。震えがまた……次は鼻血ですよ。鼻血が頸腺を切った時みたいにトバーって………医者、医者に診せたほうがいいです」



沖田さんが慌てているのか、黄色い声で喚き散らす。


「翡翠、精神統一!! 邪念があるから気が乱れるのよ。
柳生の剣術を取得してる剣士が情けない」



土方さんの凛とした声、言葉にハッとする。


震えながら、土方さんに思い切って話してみる。

話さなきゃならないと何故か思う。



「俺……ダメなんや。女が近づくだけで心臓がバクバクして、体の震えが止まらんねん。
触られたりしたら、胸がムカムカして、鼻血が出てくんねん……ほんで気が遠なってしまうねん」


「……」


「不安で……たまらん。どないしてええんか、わからんねん」


「えーーっ!?」




< 27 / 164 >

この作品をシェア

pagetop