新撰組異聞―鼻血ラプソディ
「お母んや、姉ちゃんは何ともないのに……近所のおばちゃんも婆さんも、近所のガキでも……アカンねん」


「それは……つまり恐いの?」



「……わからへん……ほんでも、悪寒がするねん。
鼻血が止まらへんようなって、体が言うこときかんようなんねん」



「なかなか面白い体質なのね」



「俺……此処にタイムスリップしたんは、何か意味があると思うねん。

俺の時代では、新撰……いや壬生浪士組って漢の中の漢集団やし、剣豪集団やねん。

けど、何でか知らんけど、此処にいてるんは女ばっかりやのやろ!?

時の軸は、1つ1本線でつながってるもんとは限らへんって、何かの本で読んだことがある。

たくさんの時間軸が絡みあってて、色んな時間の狭間に通じてるって……ほんなら、ここが俺の知ってる幕末とは違ってても不思議はない――パラレルワールドや」


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