新撰組異聞―鼻血ラプソディ
「パラレルワールド!?」


「土方さん……俺は治したいねん……ショック療法でも何でもええ……俺、女を見ても平気になりたいねん……鼻血で、貧血とかで死にたない。
お願いします。俺を此処に置いてください。
……助けてください。……力、貸してください」


俺は頭を下げた。

正座したまま、目隠しをされたまま、畳に額を擦り着けて懇願する。


無茶苦茶なお願いやって、じゅうぶんわかってる。



女ばっかりの場所で、自分が耐えられるかどうかもわからへん。



「ん……、切実なのはわかった。でもね、壬生浪士組は慈善事業やってるわけではないのよね。
実力が伴わない者を置いておく気はないわ。
此処にいて、克服したいと言うなら、実力を示しなさい。君の剣の実力を」



女でも、壬生浪士組の副長をしている人だ。


声で表情がわかる。


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