新撰組異聞―鼻血ラプソディ
「わかった」
俺が、言い出すのを待っていたような涼やかな返事。
お茶をゆっくり流し込む。
「おいで」
立ち上がった沖田さんに着いていく。
長い廊下を歩く。
障子の部屋、襖の部屋を過ぎ、土間を抜ける。
草履を履いて屋敷をぐるり、裏庭へ回る。
「綺麗な紅葉でしょう?」
沖田さんは見上げて笑った。
夕陽に照る顔が、竹刀を構えて、一変する。
正眼の綺麗な構え。
構えただけで威圧感がある。
俺もゆっくり、竹刀を構える。
無言で間合いを詰める、足さばき。
ムダのない正確なリズムを刻む動き。
ぶれない主軸。
隙がない。
俺は正眼に構えて、沖田さんを見つめ、正眼を崩さない。
沖田さんの動きは打突の音も踏み込む音も、重心を移す一瞬さえも美しくて。
沖田さんのこの剣から、1本なんて想像もできない。
俺が、言い出すのを待っていたような涼やかな返事。
お茶をゆっくり流し込む。
「おいで」
立ち上がった沖田さんに着いていく。
長い廊下を歩く。
障子の部屋、襖の部屋を過ぎ、土間を抜ける。
草履を履いて屋敷をぐるり、裏庭へ回る。
「綺麗な紅葉でしょう?」
沖田さんは見上げて笑った。
夕陽に照る顔が、竹刀を構えて、一変する。
正眼の綺麗な構え。
構えただけで威圧感がある。
俺もゆっくり、竹刀を構える。
無言で間合いを詰める、足さばき。
ムダのない正確なリズムを刻む動き。
ぶれない主軸。
隙がない。
俺は正眼に構えて、沖田さんを見つめ、正眼を崩さない。
沖田さんの動きは打突の音も踏み込む音も、重心を移す一瞬さえも美しくて。
沖田さんのこの剣から、1本なんて想像もできない。