新撰組異聞―鼻血ラプソディ
5話 死合いをしなさい
「どうだった? 翡翠の剣は……稽古はつけたのよね」
翡翠くんが眠ったのを確認し、そっと部屋を抜け出し、土方さんの部屋に来ている。
「……翡翠くんの攻めは、交わすのがやっとだった。
絹1枚……ずれたら当てられるくらいの……」
「総!?」
「翡翠くんの防御は……たぶん完璧。
わたしは力で……実践の経験で捩じ伏せることができただけ……。
次は見切られる、たぶん」
翡翠くんとの稽古を思い出しながら、こたえる。
「……総が?」
「あれほど綺麗な構えや形(かた)を見たのは、初めて」
誰かの剣に、これほど衝撃を受けたことはなかった。
土方さんの顔が驚きに変わる。
「彼を通りから此処まで、肩を抱えて来る時、感じたの。
並みの腕前ではないって。
絞られ引き締まった体、細身だけどしっかりした骨格……」
翡翠くんが眠ったのを確認し、そっと部屋を抜け出し、土方さんの部屋に来ている。
「……翡翠くんの攻めは、交わすのがやっとだった。
絹1枚……ずれたら当てられるくらいの……」
「総!?」
「翡翠くんの防御は……たぶん完璧。
わたしは力で……実践の経験で捩じ伏せることができただけ……。
次は見切られる、たぶん」
翡翠くんとの稽古を思い出しながら、こたえる。
「……総が?」
「あれほど綺麗な構えや形(かた)を見たのは、初めて」
誰かの剣に、これほど衝撃を受けたことはなかった。
土方さんの顔が驚きに変わる。
「彼を通りから此処まで、肩を抱えて来る時、感じたの。
並みの腕前ではないって。
絞られ引き締まった体、細身だけどしっかりした骨格……」