新撰組異聞―鼻血ラプソディ
もしかしたら……翡翠くんとの死合いは――。



「総、わかるわね。翡翠との死合いを隊士たちの目に、心に焼き付けさせなさい」


「はい」


土方さんは、翡翠くんの剣をまだ見ていない。


なのに翡翠くんの力を、知っているみたいに言い放つ。


進化している剣。


道場破りを幾つもしてきた土方さんの言葉。


もしかしたら土方さんは自分が、翡翠くんと死合いをしたいのかもしれない。



土方さんの部屋を出て、部屋に戻りながら思った。




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