新撰組異聞―鼻血ラプソディ

6話 ちんたーーっ

早朝、はだけた着物から豊満な胸がはみ出している。


昨晩。
沖田の部屋で翡翠は、沖田の蒲団を畳3枚以上離し、部屋の端に敷いて寝た。


なのに……。

目を覚ました翡翠の目に広がる光景は、昨晩とはまるで違う。

遥か離した沖田の蒲団は、藻抜けの殻でぽつねんと、部屋の真ん中にある。


翡翠の思考が一瞬止まる。

体に絡み付く腕、藻抜けの殻の蒲団、さらしを解いた豊満な胸。

翡翠の脳が高速回転する。


翡翠を押し潰す勢いで間近にある巨乳。


「うっ、Σ(・□・;)
whaaaoooーーーっ」


翡翠の雄叫びが八木邸中に轟く。



蒼白になり、体をガクガク震わせながら、翡翠は部屋の隅に逃げる。


タオルを握りしめ、なんども息を吸っては吐き、吐いては吸うが、ちっとも呼吸は楽にならない。


心臓が跳び出しそうなほど、激しい動悸に胸を押さえる。




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