新撰組異聞―鼻血ラプソディ

3話 金平糖

「Σ(・□・;)UGYAAAAーーっ」って人の顔を見て、あの反応って失礼な……。


翡翠くんの異常な反応に正直、乙女心が毎回、傷だらけだわと思う。



あの格差は何なの?
竹刀を振れば、あんなに強くてカッコいいのに、あの頼りなさ。



朝食の時も、あの子は確か炊事場でポツンと1人食べていたし。


井戸端でも、手拭いを持ってそそくさと隊士を避けるように走っていった。


朝稽古は土方さんが、震える翡翠くんに目隠しさせて、稽古をつけて、ボコボコに滅多打ちにして……。


だけど、あの足さばきも身のこなしも、あの綺麗な構えも……翡翠くんがかなりの実力だとわかる。


翡翠くんと土方さんの稽古と、翡翠くんの足を見て、気づいたことがある。


翡翠くんの足の指にできた豆、あれは昨日の死合いで気付かないうちに、間合いを詰められていた秘密の1つ。



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