新撰組異聞―鼻血ラプソディ
5話 blindfold(目隠し)
「翡翠は面白い光景を見せてくれるわね、山南さん」
土方はほくそえむ。
「ええ、彼は賢い闘い方をしますね」
「一(いち)どう思う?」
「正中線を生かし、尚且つ基本に忠実で繰り出される胴……あの打突では、どこへ打ち込んでくるか予測がつくまい」
「真刀を相手に竹刀で、あの冷静さ――あれほどの剣士とは」
「割って入らなくて正解だったようね」
土方の肩をポンと叩き、凛々しい声が響く。
「近藤さんも観てたのね」
「総さんは、面白い剣士を拾ってきましたね」
「あの剣気、とても女性に怯え震える姿を想像できない」
「やはり翡翠には……提案を実行させるべきね。強制的に」
「歳さん!? 何を考えて?」
「一(いち)、部屋へ来るよう翡翠に伝えて」
土方の顔が光をさしたように明るくなる。
悪戯を思い付いた子供のようだ。
土方はほくそえむ。
「ええ、彼は賢い闘い方をしますね」
「一(いち)どう思う?」
「正中線を生かし、尚且つ基本に忠実で繰り出される胴……あの打突では、どこへ打ち込んでくるか予測がつくまい」
「真刀を相手に竹刀で、あの冷静さ――あれほどの剣士とは」
「割って入らなくて正解だったようね」
土方の肩をポンと叩き、凛々しい声が響く。
「近藤さんも観てたのね」
「総さんは、面白い剣士を拾ってきましたね」
「あの剣気、とても女性に怯え震える姿を想像できない」
「やはり翡翠には……提案を実行させるべきね。強制的に」
「歳さん!? 何を考えて?」
「一(いち)、部屋へ来るよう翡翠に伝えて」
土方の顔が光をさしたように明るくなる。
悪戯を思い付いた子供のようだ。