新撰組異聞―鼻血ラプソディ
「まあ、翡翠は芹沢を女と認識しなかったようだが」


「(・□・;)!! あの芹沢さんを……女と認識してないって!?
あの土方さんより巨乳の芹沢さんを!?」



「ん……翡翠の感覚はそこではないのでは。大きい小さいを問題にはしてないのだろう」


「そうなの?」


原田も永倉も藤堂も思わず身を乗り出す。


「山南さんに対して恐怖症の症状はないらしい。
総も土方さんも、翡翠の鼻血を浴びてるし」


「一(いち)ちゃんは?」



「鼻血が出そうだから後ろ向きですみませんって言われた。
翡翠の基準は……理解し難い」


「あれっ!? 一(いち)ちゃん、翡翠?」


翡翠が部屋で休んでいるとばかり思っていた斎藤は、格子戸の外を横切る翡翠に、慌てて戸を開け叫ぶ。



「翡翠、土方さんが部屋に来なさいって!!」



「もったいない」


原田が口惜しそうにポツリ呟く。

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