番長さん、恋します。
トイレを出ると、親友が仁王立ちしていた。
『やけに長いトイレねー。』
『うるさいなぁー。』
『今、ちょうど女子の集団がここを通った
わ。夏帆、逃げられたんでしょ?』
『麻比呂には関係ないでしょうが!!』
『図星☆だったのね。』
麻比呂は、親友の哀しみを喜んでいるように、
ニヤニヤと夏帆を見つめる。
(麻比呂まで、あたしをからかって!!)
麻比呂は中学からの親友だ。
夏帆がふつうの女子高校生であることを知って
る唯一の人類である。