欲しがり屋のサーチュイン


それから、なんとなく雨の日には美木がどこかに誘ってくれるようになり。


「(…今日も雨だな。)」

「あ、沼田さん。」


本日も美木が後ろから声をかける。

千晶もそれは予想していて。

くるりと振り向くと、ハニカミ笑顔が遠慮がちに言うのだ。


「今日はどこ行きましょうか?」


千晶は微笑みまでいかないながらも、表情を少し柔らかくする。



……ーー良い雨友達が出来た。

< 13 / 40 >

この作品をシェア

pagetop