黒色感情。
どの位走っただろうか…。
私は完全に体力を使いはたし、今にも倒れそうにヨロヨロして歩いている…。
日が落ちかけてきた空は夕焼けになり真っ赤に染まっていく…。
まるで今日死んだ者の血によって空が描かれたかのように……。
周りは私が知らない田んぼだらけの殺風景な場所だった。
これなら…あの醜い生き物と、もう会う事もないであろう…。
私は顔を上げ、もう一度周りを見渡そうとした時…。
私の心臓が止まるのではないだろうかと思うほど驚いた。
目の前に…。
あの交差点があったのだ。
確か…逆方向に走ったうえ、ここら辺は全然知らない場所のはずなのに…!!
私は急いで引き返そうと振り返った。