サッカー王子と同居中!
少し走って、大通りに出る頃にはあやの後ろ姿が見えた。
「あや、待ってー!」
あたしはあやに少し大きな声で呼ぶと同時に、相ケ瀬くんの手を離そうとした。
だけど、余計にぎゅっと力を込めてきた相ケ瀬くんは全然離そうとしない。
むしろ手を繋ぎなおしてきたくらい……。
「相ケ瀬くん、ちょっと離してよ!あやにバレちゃうよ」
「ここまで来たら、付き合ってることもバラす」
「え!そんな駄目に決まってるじゃん!」
「いや、実際山本は気付いてるね」
嘘だ、嘘だ!絶対にそんな訳ない。