サッカー王子と同居中!
やっぱりそうなんだ。
この一言は誰にでも言える簡単な言葉。
でも先輩たちは敢えてこの言葉を表さないで、違う形で表して伝えようとした。
きっとこんなサッカーのことについて詳しくないあたしにさえ、分かったんだもん。
みんなにだって当然伝えられたんだと思う。
その証拠にまだタイマーでは休憩時間が残っているのにみんなはボールかごからボールを取って自主練をしている。
あたしは「はい!」と言いながら、大きく頷いた。
「ひかるちゃんがそう言ってくれるなら大丈夫だな」
「おう、俺たちも行くぞ」
あたしはピッチに向かって走っていく2人の背中を見つめると、さっき休憩でみんなが飲んだドリンクボトルの補充を始めたんだ。